北海道

祖母の葬儀で北海道へ。
95歳の大往生で、悲しみに暮れるというより”お疲れ様会”という感じの式でした。
北海道の道東の、別海町というところ。
祖母には2年前に会いに行ったけど寝たきりでほんの少し顔が見られただけだった。親戚に会うのも2年ぶり。

思い返せば夏休みと冬休みしか会わない祖母だったから、家族というより外孫。一緒に暮らしていた従兄弟たちは、「片付けしなさい」「宿題しなさい」って怒られていたけど、私は宿題終えてからバカンス目的で遊びに来てるので、悠々自適に過ごしていました。
ジュニアパイロットっていう子ども一人旅のサービスがあって(今でもあるね)小2のとき1人で飛行機に乗って遊びに行ったときのことはすごく覚えています。祖母はよく1人で来たねって褒めてくれました。その後中2と高2でも1人でふらっと来たので、従兄弟には変人扱いされていたけど。

だから、常に褒められる係で出て来るおやつも、おばあちゃんとしての顔もお客さん用だった。外孫としてこれ以上ないくらい可愛がってもらったと思うけど、祖母の日常の顔は知らない。

葬儀の会場に泊まって親戚たちとお酒を飲んでいた晩、

「普段のおばあちゃんってどんなだった?」と聞いたら、

「うーん、口数少なかったよね。」

「昔の人にしては身長高かったよね、164cmくらい?腰は曲がっちゃったけどね。」

「月9ドラマ観てたよね。」

「風呂上がりハンドクリーム塗りたくった後リンゴ剥くからリンゴがベタベタだったよね。」

「朝はコーヒー派の人だったよね。豆買ってきて挽いてたんだよ。」

等の証言が得られ、祖母の思い出として保管しておくべきピースが埋まったので、来るか迷ったけれど来てよかったなと思いました。今聴きたい話がきけた。
滞在中、朝と夕方に家の裏の浜辺を1人で散歩して、祖母と一緒に散歩してきれいな貝殻拾ったな、って思い出に浸りました。波の音をBGMにこの手の回想に時間を使うなんて、なんて贅沢なんだと思いながら。

火葬の後、祖母の膝に入っていた鉄のボルトが骨と一緒に残って、

「コレ一緒に骨壷に収めた方がいいですか?」

「まあ、どっちでも構わないと思いますよ。」

「ボルトだけ持ち帰ってもねえ、どこに保管するの?お仏壇?」

「ようやく不自由な足から開放されたんだから天国まで持って行きたくないんじゃない?」

などと話していたら、どういう繋がりの方か分からないけどその場にいた90歳位のおばあさんが、

「ばあちゃんの一部だから!」って骨壷に収めていました。

天地明察


天地明察

先輩と一緒に外出した電車の中で、冲方丁の「光圀伝」の話で盛り上がりました。その流れで私が、「天地明察もすごく面白いですよ」っておすすめしたのでメモ。

渋川春海(安井算哲)が主人公の歴史小説です。
将軍家の碁打ちだった算哲が、数学・天文学の知識を買われて改暦の事業に全身全霊を尽くす生涯が現代人に親しみやすく描かれています。保科正之や酒井などの武断政治から文治政治に切り替えていったサイドストーリーも面白く、とくに親友の関孝和、水戸光圀、後妻の「えん」など、登場人物が全員良い人で清々しいのです。

時代背景は江戸の前〜中期の花のお江戸時代で特に事件も少ないところで、算哲がちょっとオタクっぽく描かれてて、ひたむきな情熱がたまらないです。